――最初にご経歴をお聞かせいただけますか?
1976年、和歌山市の出身です。この業界に入るまではスノーボードをしていました。アルバイトで稼いでは、日本全国から海外まで、選手として遠征していました。 しかし怪我をしてしまって続けることができなくなりました。そこで就職することになったときに考えたことは、モテたいという強い気持ちと、まだ見た事のない経験したことがない業界で働くこと、それが大都市東京のデザイン業界で働くことにつながりました。勉強したこともなく、経験もないデザイン業界・・・無謀でしたがタウンページを素手でちぎるという一発芸で拾ってくれた会社がありました!それからは実践で覚えながら勉強もして、最終的にはTUGBOAT2という業界では名前の知れた事務所で働き、35歳で独立するまでになりました。
オフィスは渋谷にありました。東京でも流行に最も敏感な街です。時代の変化を感じやすい街で過ごしていると、広告ポスターがサイネージに変わったり、新聞や雑誌などの紙媒体が減っていくことなどが目に入り、単なるグラフィックやデザインでは流行遅れになってしまうという危機感を覚えました。そこで注目したものが、テキスト、イメージ、アニメーションなどの要素を組み合わせて、アニメーション動画を制作するモーショングラフィックスです。 その時に出会った映像ディレクターと、Art Directorの自分の2人で株式会社Weを設立しました。おかげさまで今では大手企業などからもご依頼をいただけるまでに成長できました。
(株式会社We:https://wewewe.jp/)
――台湾でのビジネス展開について教えてください。
実は知り合いに誘われて参加したお花見の会で、東京に語学留学に来ていた台湾人の今の妻と出会いました。彼女とは彼女が台湾に帰ってしまったあとにコロナ禍となり、台湾に渡航して会うことができなくなってしまいました。しかし調べたところ、就業ゴールドカード(就業金卡・Employment Gold Card)制度があることを知り、これであればコロナ禍でも台湾への入国が可能と知り、申請してみたところ取得することができました。そのことで台湾との縁ができたことで、元々海外展開を考えていたこともあり、台湾で仕事をする決心をしました。 そして2023年の暮れに、台湾に「想像以上有限公司」を設立しました。とはいえ中国語もまだできないので今は毎日午前中、文化大学の語学学校に3時間通い、午後からはOne&Coで仕事をしています。今後日本はパートナーが見ていてくれることもあり、私は台湾での活動比率を高めていく予定です。
弊社の得意分野はモーショングラフィックスというプロモーションに強い動画です。例えば企業紹介、リクルート、商品やサービス紹介など、伝えたい情報を整理し、印象的かつ伝わりやすい動画を制作しています。さらには、発表会やイベントなどのオープニングを盛り上げる映像として、ご利用いただくことも多いです。 ダイレクトなメッセージを好まれる台湾の文化には、弊社の動画は必ずマッチすると考えています。さらに、ローカライズするだけでは他社と似たデザインや動画になってしまい埋もれてしまいますので、日本の文化と台湾の価値観をMIXさせ、みなさんの商品やサービスの魅力を1人でも見て知っていただく為に、生きた動画を制作します。
――One&Coにご入居してからの感想を教えてください。
オフィスの選択にあたって、何箇所か見学に行きました。そのなかでOne&Coに決めた理由はいくつかあります。まずは日本語が通じることです。またコワーキングスペースは台湾でも増えてきましたが、多くの利用者は若者のスタートアップが多く年代的に、またビジネスのステージが異なり、自社に価値あるネットワークが生まれにくいと感じました。また他のところはソファ席が多いため、作業のしにくさを感じました。もう一点は、One&Coのフレグランスが心地よく記憶に残ったことです。香りって気持ちを高めるにも大事ですね。
――最後に、今後の意気込みや目標を教えて下さい。
新たな取り組みとして、日本のイラストレーターを台湾につなげるマネジメントを行いたいと考えています。また自身が中国語を活用できるようになり人脈を広げて、将来は台湾からアジアの他の国への展開も考えています。 個人的には登山が趣味で臺北市政府工務局が推進している「臺北大縱走」を始めています。セクション8まであり制覇を目指しています。また登山以外の趣味も持ちたいと思っています。