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2023.11.03

アジアでの知財ビジネスの経験を、台湾への貢献に繋げたい 良坊全球股份有限公司 川井董事長に話を聞く

良坊全球股份有限公司 YOSHIBO GLOBAL INC.

――最初にご経歴をお聞かせいただけますか?
1962年、奈良出身です。中学校のときに東京に引っ越しました。祖父や父は金融関係に勤めていました。私は金融には興味が持てず、就職活動ではテレビ局、化粧品会社などを受けましたが、最初に内定をいただいたサンリオに入社することに決めました。若い頃は主に欧米などの海外向け商品企画を担当していました。

SARSが猛威を振るっていた2003年に台湾に現地法人総経理として赴任しました。そこで初めてライセンス事業に関わることになりました。それまでは日本のデザインや体制などをそのまま現地に移植して運営しておりました。確かに日本と台湾は、他の国に比べてギャップは小さいと言えるでしょうが、ギャップがないわけではありません。そこでクリエイターを雇い、デザインを現地に合わせて調整すべく、クリエイティブを強化しました。またそれまで一々日本本社にお伺いを立てていた契約などの法務についても、スピードアップさせるため現地化しました。その時に採用した台湾大学と日本の中央大学の法学部出身の台湾人女性スタッフが、今では総経理となっています。そのような改革によって売上は2年間で4倍になりました。

結果が出たということでその後、アジアリージョンのCMOとなり、香港・上海・韓国も見ることになり、台湾方式を伝えていきました。帰国後は海外物販事業部長に就任し、定年で退職しました。

    
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――台湾でのビジネス展開について教えてください。
欧米と違い、権利の侵害から知的財産を守る必要があるアジア。アジアでの知財ビジネスの経験を活かせる場がある台湾に舞い戻り、会社を設立しました。キャラクターとアートのライセンスビジネスを行ってまいります。ライセンスビジネスはコンサルタント業と言えるでしょう。例えばエバー航空のキティジェット。導入したことによって知名度が高まり、顧客層が広がり、ひいては商売が拡大しました。そのようにキャラクターとビジネスをどのようにつなげるか、その効果の予測は?このような提案を行うビジネスです。また社員は9to6の労働者的働き方ではなく、クリエイティブが生まれる新しい働き方を採り入れています。

――事業の課題はございますか?
台湾の会社はトップダウンで独裁的、対して日本の会社はボトムアップで民主的です。その分、台湾は即断即決できるという点が優れています。一方、ライセンスビジネスは長期的な視点が必要ですが、台湾は得てして短期的に物事を捉えます。私は日本・台湾双方の利点欠点を熟知していますので、双方のいいところを合わせたハイブリッドでビジネスを進めていく提案を行っていきます。

台湾は短期的思考と申しましたが、そのために今までブランドやキャラクターが育ちませんでした。私が今後ハイブリッド思考を説くことで、成功例が出れば台湾から輸出できるものも生まれるかもしれません。そのことで台湾に貢献できればと思いいます。


――One&Coにご入居してからの感想を教えてください。
本当に快適な空間だと思います。質の高いコーヒーなど飲料がフリーで、会議室もフレキシブルに利用できます。現在の会社の規模なら、ラウンジのHot Deskがちょうどいいです。

――最後に、今後の意気込みや目標を教えて下さい
今は独立して会社を運営していますので、いわば自由な身です。台湾軸足をおいて、ビジネスを楽しんでいきたいと思います。

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